冷蔵庫の奥から、期限の切れたヨーグルトや使いかけの野菜が出てきた。多くの家庭で覚えのある光景です。
農林水産省と環境省が2026年6月に公表した推計によると、2024年度の日本の食品ロスは約461万トン。そのうち約224万トン、ほぼ半分が一般家庭から出ています。
家庭の食品ロスを減らす第一歩は、「あるのを忘れていた」をなくすことです。この記事では、消費者庁と農林水産省がすすめる方法をもとに、冷蔵庫とパントリー(食品庫)を忘れにくい仕組みに変えるコツを紹介します。
ポイント
- 新しいものは奥へ、古いものは手前へ(先入れ先出し)
- 食品の種類ごとに置き場所を決め、冷蔵庫は7割以下に
- 開けた日・作った日を書いておく
- 「早く食べるコーナー」をつくる
- 買い物の前に在庫を確認する
- 備蓄はローリングストックで回す
買ってきた食品は奥や下に、先にある食品は手前や上に移します。お店の陳列と同じ考え方で、期限の近いものから自然に手に取れるようになります。
パントリーの缶詰やレトルト食品も同じです。同じ種類は一列に並べ、新しいものを後ろから入れると、古いものが取り残されません。
消費者庁は、冷蔵庫の片付けとして次の手順を紹介しています。
定位置が決まっていれば、家族の誰が見ても「何がどれだけあるか」が分かります。すき間があると奥まで見通せて、冷気もよく回ります。
開封した調味料、作り置き、冷凍した肉などは、マスキングテープに日付を書いて貼っておきます。開封後の食品は、パッケージの期限どおりには持たないからです(詳しくは開封後の保存の目安を参照)。
中身が見える透明な保存容器を使うと、開けなくても中身を確認できて便利です。
冷蔵庫の目の高さの棚に、かごやトレーを一つ置き、期限が近いものや使いかけの食材をまとめます。料理の前にまずここを見る、と家族で決めておくと、使い忘れが減ります。
食べきれそうにない肉や魚、ごはん、パンは、傷む前に冷凍するのも有効です。
消費者庁は、買い物の前に冷蔵庫や食品庫の中を確認し、スマートフォンで写真を撮ったりメモをしたりすることを勧めています。同じものを重ねて買うのを防げます。
あわせて、使う分・食べきれる量だけを買うこと、すぐに使うなら棚の手前の商品を選ぶ「てまえどり」も呼びかけています。
災害への備えとして食品をためておくと、気づいたときには期限切れ、ということがあります。農林水産省が紹介している「ローリングストック」は、ふだん食べている食品を少し多めに買い置きし、賞味期限を考えて古いものから食べ、食べた分を買い足す方法です。
こうすると、備蓄がいつも新しい状態で保たれます。農林水産省のガイドでは、できれば1週間分を備えるよう勧めています。缶詰、レトルト食品、乾麺、飲料水など、家族が好きなものから始めると続けやすくなります。
整理の仕組みは、家族全員が同じルールで使ってこそ続きます。たとえば次のように決めておくと、誰が冷蔵庫を開けても迷いません。
ルールは少ないほど守りやすくなります。まずは一つだけ決めて、慣れたら増やしていきましょう。
消費者庁のサイトでは、家庭で捨てた食品の量を記録するだけで食品ロスが約2割減り、さらに削減を意識して取り組むと約4割減ったという結果が紹介されています。何を捨てがちか分かれば、買う量や作る量を見直すきっかけになります。
いちばん忘れやすいのは、冷凍庫の奥やパントリーの上の段など、ふだん目に入らない場所の食品です。無料のiPhoneアプリ「期限リマインダー:家族で共有」では、ラーメン 7パック 2027/3/22 のように1行入力するだけで登録でき、期限前の通知と週1回のまとめでお知らせします。まとめは買い物前の在庫確認にも使えます。iCloudで家族と同じリストを共有でき、アカウント登録や広告はありません。App Storeで見る
ほかの記事は食品の期限と保存のガイドにまとめています。
更新日:2026年9月29日