冷蔵庫・パントリーの整理で食品ロスを減らす方法

冷蔵庫の奥から、期限の切れたヨーグルトや使いかけの野菜が出てきた。多くの家庭で覚えのある光景です。

農林水産省と環境省が2026年6月に公表した推計によると、2024年度の日本の食品ロスは約461万トン。そのうち約224万トン、ほぼ半分が一般家庭から出ています。

家庭の食品ロスを減らす第一歩は、「あるのを忘れていた」をなくすことです。この記事では、消費者庁と農林水産省がすすめる方法をもとに、冷蔵庫とパントリー(食品庫)を忘れにくい仕組みに変えるコツを紹介します。

ポイント

1. 先入れ先出し:古いものを手前に

買ってきた食品は奥や下に、先にある食品は手前や上に移します。お店の陳列と同じ考え方で、期限の近いものから自然に手に取れるようになります。

パントリーの缶詰やレトルト食品も同じです。同じ種類は一列に並べ、新しいものを後ろから入れると、古いものが取り残されません。

2. 置き場所を決めて、詰め込みすぎない

消費者庁は、冷蔵庫の片付けとして次の手順を紹介しています。

定位置が決まっていれば、家族の誰が見ても「何がどれだけあるか」が分かります。すき間があると奥まで見通せて、冷気もよく回ります。

3. 開けた日・作った日を書く

開封した調味料、作り置き、冷凍した肉などは、マスキングテープに日付を書いて貼っておきます。開封後の食品は、パッケージの期限どおりには持たないからです(詳しくは開封後の保存の目安を参照)。

中身が見える透明な保存容器を使うと、開けなくても中身を確認できて便利です。

4. 「早く食べるコーナー」をつくる

冷蔵庫の目の高さの棚に、かごやトレーを一つ置き、期限が近いものや使いかけの食材をまとめます。料理の前にまずここを見る、と家族で決めておくと、使い忘れが減ります。

食べきれそうにない肉や魚、ごはん、パンは、傷む前に冷凍するのも有効です。

5. 買い物の前に在庫を見る

消費者庁は、買い物の前に冷蔵庫や食品庫の中を確認し、スマートフォンで写真を撮ったりメモをしたりすることを勧めています。同じものを重ねて買うのを防げます。

あわせて、使う分・食べきれる量だけを買うこと、すぐに使うなら棚の手前の商品を選ぶ「てまえどり」も呼びかけています。

6. 備蓄はローリングストックで回す

災害への備えとして食品をためておくと、気づいたときには期限切れ、ということがあります。農林水産省が紹介している「ローリングストック」は、ふだん食べている食品を少し多めに買い置きし、賞味期限を考えて古いものから食べ、食べた分を買い足す方法です。

こうすると、備蓄がいつも新しい状態で保たれます。農林水産省のガイドでは、できれば1週間分を備えるよう勧めています。缶詰、レトルト食品、乾麺、飲料水など、家族が好きなものから始めると続けやすくなります。

7. 家族でルールを共有する

整理の仕組みは、家族全員が同じルールで使ってこそ続きます。たとえば次のように決めておくと、誰が冷蔵庫を開けても迷いません。

ルールは少ないほど守りやすくなります。まずは一つだけ決めて、慣れたら増やしていきましょう。

8. 捨てた量を記録してみる

消費者庁のサイトでは、家庭で捨てた食品の量を記録するだけで食品ロスが約2割減り、さらに削減を意識して取り組むと約4割減ったという結果が紹介されています。何を捨てがちか分かれば、買う量や作る量を見直すきっかけになります。

週1回・10分の見直しチェックリスト

見えない場所の期限を覚えておくには

いちばん忘れやすいのは、冷凍庫の奥やパントリーの上の段など、ふだん目に入らない場所の食品です。無料のiPhoneアプリ「期限リマインダー:家族で共有」では、ラーメン 7パック 2027/3/22 のように1行入力するだけで登録でき、期限前の通知と週1回のまとめでお知らせします。まとめは買い物前の在庫確認にも使えます。iCloudで家族と同じリストを共有でき、アカウント登録や広告はありません。App Storeで見る

ほかの記事は食品の期限と保存のガイドにまとめています。

参考文献

  1. 消費者庁「2024(令和6)年度食品ロス量推計値の公表について」(2026年6月30日)
  2. 消費者庁「めざせ!食品ロス・ゼロ:家庭での食品ロスを減らそう」
  3. 消費者庁「めざせ!食品ロス・ゼロ:家族みんなで、冷蔵庫のお片付けをしよう」
  4. 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」

更新日:2026年9月29日